気品と調和のある
環境と
クラスルーム

子どもに自分を自由に表すように
働きかけるような
環境が必要なのです。
子どもはみずからを創造し
発展させる時期にいます。
子どもにはドアを開けてやる
だけでいいのです。

マリア・モンテッソーリ

整えられた環境が大事な理由

集中力を高めるために、子どもたちを取り巻く環境を準備する必要があります。私たちは子どもの心を追い求めて、子どもが思わず、手で触れてみたくなるような教材を準備しています。それは子どもの発達に合ったサイズで、美しく、科学性のあるもので、あらゆる好奇心を誘発する環境です。子どもが自発的に選べ、自由に活動できる環境があってはじめて、集中力、意志力、創造性が育まれます。

園舎

株式会社光通信の重田様の多大なご支援とご寄付により、建設が実現いたしました。
イタリアに設計士を派遣し、マリア・モンテッソーリ博士の愛弟子のアントニエッタ・パオリー二先生のアドバイスを基に考案、設計された園舎です。
モンテッソーリ教育が理想とする、秩序と知的刺激を与えられる環境を実現するため、自然光がふんだんに入る天井窓、外の景色が常に見られる大型窓、自然素材と色彩を用いた外装・インテリア、興味深く秩序感のある移動動線やルーム配置等、子どもたちが活動に集中できるよう工夫が込められた園舎です。

クラスルーム
(1-2歳児クラス)

色々な色や形の植物を置いたり、金魚や鳥、うさぎなどの生き物を飼い、そして、子ども達が水やりをしたり、えさをあげられる環境を作っています。お部屋の中に自然を取り入れて、普段から自然に近い環境の中で過ごせるように配慮しています。
ベランダにも植物や野菜などを植え、子供たちが外に自由に行き来できるようにしています。
お部屋の中の棚や教具などは、すべて子どもサイズになっています。
感覚の鋭敏な時期に、子どもたちが楽しく活動に取り組めるよう環境を整えています。

クラスルーム
(幼稚園)

イベントの時には、この通り、美術館も顔負けのアートギャラリーに一変身。先生スタッフチームそして幼稚園コミュニティ全体で、子どもたちに上質な体験を与えたいという願いに溢れています。

ジムナジウム(ホール)

明るく広々としたスペースで、思う存分身体を使った運動をしたり、合唱や音楽の練習を楽しく真剣に取り組むことができます。

お庭(グランド)

真剣におしごと(学習活動)に取り組んだ後は、おそとへ。 お庭で、お友だちとかけっこをしたり砂遊びをしたり、エネルギーに溢れかえった姿を見せてくれます。
頭脳をフル回転で使う子どもたちは、おそと遊びもものすごく本気。これは、頭脳を使うことと身体を動かすことが、相反することではなく、連動していることを見せてくれているのです。
主に園長せんせいがDIYで作った、温かみのある数々の遊具や、森のように木々に囲まれたお庭で楽しい時間を過ごします。

横浜モンテッソーリ幼稚園の創設者であり、園長であった高根文雄先生。いつも大きな愛で子どもたちを見守り、絶えない情熱で子どもの教育に生涯を捧げた文雄先生が天国に旅立ってしまったのは2019年9月24日のことでした。
でも、どうか悲しまないでください。文雄先生はいつもみんなのことを見守っています。
今日は文雄先生と子どもたちとの思い出の場所、「ひみつ基地」を紹介しましょう。

ピンクさん(プレスクール)の教室の傍らに、まるで小さなひみつ基地のように設けられた「ひみつの遊び場」がありました。子どもたちはいつでも、教室とつながっているそのスペースへ立ち寄ることができました。
文雄先生はそこでいつも何か楽しく工作やドローイングをしたい子どもたちを待ち受けていました。
そこには、子どもたちが作った色々な作品が所狭しと飾られており、子どもたちは「こんにーちはー」とあいさつをして、いつでも自由に入り、文雄先生に新しい工作やお絵描きをおしえてもらっていました。ちょっとしたグリーンハウスのような、その遊び場からは、すぐ窓の外側に生えているたくさんの緑色の植物や木が眺められます。
子どもたちは、いまもそこで、工作やものづくりに没頭します。飛行機のシール貼りに何度もチャレンジし、気が済むまで取り組んでから、また、教室に戻っていきます。

文雄先生は、子どもたちが心から楽しく、作ることに取り組めるよう、手作りでこのひみつ基地を作ったのです。子どもたちは、時間が過ぎるのも忘れ、集中し手を動かします。敏感期の子どもたちにとって、手や指を動かし作業をすることは、脳の発達を助ける必要不可欠な活動です。おじいちゃんのような文雄先生と、家族のように過ごす特別な時間は、子どもたちにとって忘れがたい良い思い出になったようです。

横浜・モンテッソーリ幼稚園では、慌ただしく、決められたルーチンとして保育活動をさせるのではなく、心安らぐ環境の中で、子どもたちに集中する時間を持たせられるよう努め、一人ひとり心の赴くままに手や指、視覚、感性をフル動員するような時間を大事にします。
それは、子どもたち自身にとっても、好きなことに取り組み達成するという、充実した豊かな時間なのです。