成長に合わせた
プログラム

生涯で最も大事な時期は、大学で学ぶ時期ではなく、精神と知性が発達し始める、誕生から6歳になるまでの6年間なのです。

マリア・モンテッソーリ

日常生活の練習

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感覚の洗練

感覚の洗練

数の練習

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言語

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文化

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自然

文化

「手」を使って活動すること

子ども達は手を使うことが大好きです。特に3~6歳の子どもには手を使うことがとても重要です。”手は外の大脳である”といわれているように、手を使えば使うほど脳は発達し、精神の発達がさらに進んでいきます。この時期の子どもには「ぼくは手でみる」という感覚があるのです。

①日常生活の
練習

子どもは、家庭で親の動いている姿を見て真似をする模倣の敏感期にあります。料理、食事の準備、洗濯、おそうじや花を飾るなど環境への関心を示します。やり方が分からないところを、道具の使い方だけを見せてあげると、自分で繰り返しながら楽しく活動していきます。繰り返し活動しているうちに、正確さが身に付き、立派な人格の基礎が出来上がります。上手にできなくても訂正したり注意はしません。子ども本来に自分で気づき、自分で正しくできる力を持っています。その活動を通して、柔らかい手や意思通りに動く身体が作られていき、自然に肉体も精神もバランスよく統合されていきます。また、お友達と譲り合いながら、平和な心を育んでいきます。

②感覚の洗練

3~6歳児は、物を詳細に見て、分類し、比較し、整理づけるという脳の働きの盛んな時期です。モンテッソーリは感覚をより洗練できる様々な「感覚教具」を考案しました。寸法、色、形、質感、重さなどを、具体物を扱う中で識別します。耳の洗練のためには音階の教具があります。 クラスに入った子どもが、引き寄せられるように教具に向かい集中する姿には目を見張るものがあり、感動すら覚えます。

繰り返し活動しているうちに、注意力を育てるとともに鋭敏さを身につけます。

はめこみ円柱

繰り返し活動しているうちに、注意力を育てるとともに鋭敏さを身につけます。

ピンクタワー

1cm~10cmの10個の立体を並べながら、大きさの違いを感じて、いろいろな形を構成して楽しみます。

茶色の階段

太さの違いを、感覚的に取り入れています。いろいろと繰り返していくうちに、順序性、論理性が芽生えていきます。

赤い棒

長さの違いを、感覚的に取り入れて、構成して楽しみます。

色板

4歳頃からいろいろな色の濃淡に興味をもち始め、色の漸次性を発見しながら色の世界が楽しめるようになります。徐々に美術の世界への扉も開いていくでしょう。

幾何タンス(4~6歳)

身の回りには色々なかたちがあることを気づき始めた頃、幾何タンスを使って様々な図形の名前と特徴を理解していきます。

鉄製はめこみ図形

図形の展開図は、大変興味深い作業です。子ども達は、この作業を通して、正しい筆記用具の扱い方を学び、美の世界への探検が始まります。

4歳頃からいろいろな色の濃淡に興味をもち始め、色の漸次性を発見しながら色の世界が楽しめるようになります。徐々に美術の世界への扉も開いていくでしょう。

③数の練習

この時期になると自然に「数える」ということに興味を示します。「お皿が何枚ある?」「何時なの?」など、生活の中で数は自然に子どもの興味を引きます。階段などでは無意識にその幅や高さなどを目測し、それに合わせて素早く行動している姿を目にします。人間は生まれながらにして数学的な頭脳があると言われます。感覚教具を通して培われたものを、今度は数という抽象的な概念で表すのです。道具を使ってゲームのように足し算、引き算、掛け算、割り算などの活動をいつのまにかするようになります。

数棒(3歳〜)

数えることの楽しさを知り始めた頃、数の棒で数えながら、数の量感を認識していきます。数える楽しさを体験した子どもは、数詞に移行する楽しさを求めていきます。 この敏感期にこそ苦労なく認識していきます。ついには十進法にまで、届いていきます。

数字と玉(4歳~)

1~10の数字カードと同数の玉(おはじき)を用い、数字それぞれの特徴を学んでいきます。数の量感だけでなく、玉の位置で奇数、偶数という概念を感覚的に覚えてしまいます。たとえば玉と玉の間の通り道を指がスムーズ通り抜けられれば偶数、玉が指を遮れば奇数、という具合に。

銀行遊び(4歳半~6歳)

1~9999までの数を組み合わせながら、大きな数をつくる楽しさの遊びを繰り返し、ついにビーズとカードを組み合わせて、足し算へと発展します。 1217+1460=2677と自分たちで答えを見出していきます。グループ遊びで活動するのが、さらに楽しそうです。

暗算版(5歳〜)

数を楽しんだ子どもは、いよいよ暗算に興味をもち、来る日も来る日もいろいろな暗算板を持ち出し、無理なく暗算へ導入しています。子ども達は、「2+2はいくつ?」、「5+5はいくつ?」と会話の中でもつぶやき始めます。

④言語

言葉を扱えることは人間の特徴のひとつです。聞く、話すという体験を十分にできると言語が何よりも豊かになります。
3歳の時期には言語によって自分の意志を表現できるという素晴らしい発達を見せてくれます。この時期の子どもは
指の感覚で文字を覚えていきます。そのため、書く、読むという順で言葉を習得します。この自然な発達が展開されていく
ように教具、教材を用意してあります。

砂文字

お手本を見ながら、指でなぞった後に砂の中にひらがなを書いていきます。
指の感覚で文字の形を覚えてしまいます。

文字拾い

カードを組み合わせて、自分が知っているものや動物の名前を作っていきます。

⑤文化

(写真)物の名前を覚えたいという欲求のさかんな時に世界地図を与えます。
マリア・モンテッソーリは6歳までの子どもに「世界を与えよう」と言いました。子ども達の興味は世界の国々の名前や形だけにとどまりません。果てなき探求心で大陸と海の位置関係、異国の文化を瞬く間に発見していきます。

世界の国の探検

自分を取り囲む世界を知りたいと思い始める頃、地球の成り立ちを聞くと、大陸の組み合わせ、ついには、国の名前をあっという間に覚えてしまいます。さあ、平和な世界づくりに飛び立ちましょう!

平和への架け橋

世界の国の探検が行き着く先は人間同士の相互理解です。「世界を知りたい」という好奇心は多様性への理解と他者への尊重につながります。相互理解ができる精神を子ども達は自ら育んでいきます。

⑥自然

春になると自然の植物が子ども達に語りかけてきます。その頃に本物の自然に触れる機会が持てると、植物に対する興味がかき立てられます。形や色、香りの違いを楽しみながら「不思議だな」と根、茎、葉、花の成り立ちを自然に理解していきます。

植物の観察

実際に植物の葉や根を見て、触ることで、植物の各器官の名称を覚えてしまいます。 また大人も知らないような細かな葉の形の違いも、子ども達は判別する事が好きです。

敏感期に適切な環境で育まれた子どもは…

卒園の頃には立派な人格が完成します。子どもの興味、好奇心は早い時期に芽生えているのです。大人の私たちはそれを見逃さないように、大切に、環境を整えてお待ちしています。